母の田舎の川釣りの思い出

小学生の頃、毎年夏休みに東北の母の田舎に行って、魚釣りをするのが楽しみの一つでした。

東京生まれ東京育ちだった私にとって、山に囲まれたのどかな母の田舎は、東京には無いもので溢れており、とても魅力的な環境でした。

魚釣りは主に川釣りで、イワナやヤマメなどの淡水魚を釣りました。
とは言え、釣り初心者の私がそう簡単に釣れる訳もなく、釣り竿や針の準備、エサの調達、エサを針へセットなど、いつも叔父や従兄弟の助けを借りてやっていました。

エサは庭や田んぼで見つけたミミズやバッタ。
私は素手では触れず、常に軍手が必需品でした。

叔父の家の敷地内にある秘密の釣りスポットは、木や草が生い茂り、小学生の私の背丈ほどもある険しい中を歩くような場所でした。

歩いて歩いてやっと着いたその場所には、深く大きな川がありました。
透明度の高い川の水はキラキラと輝き、川底も容易に見られるような美しさでした。

川の流れる音以外、何も感じない静けさの中、私は息を潜め準備してもらった釣り糸を垂らしました。

叔父や従兄弟のアドバイスに従って、川の中から死角になるような位置に隠れ、竿が不自然に揺れないようにじっと我慢していました。
子どもの私にとってはかなりの重労働でしたが、魚がかかる楽しみに比べたらなんてことありませんでした。

そして叔父のサポートのおかげで必ず一匹は釣り上げることが出来、誇らしげに帰るのでした。

すぐに捌いでもらい、炭火で塩焼きにして食べるのですが、それが美味しいのなんの!いつもあっという間に平らげました。
釣りに行ける喜び、魚が釣れた喜び、食べる喜びを知ると、もう釣りは止められませんでした。